2日目の朝、幸いなことに天気は晴れ、予定通り栗駒山トレッキングに挑戦です。
9時にガイドの東谷さんと栗駒山荘玄関前で待ち合わせ、昨日訪問の須川高原温泉 大露天風呂前の栗駒山登山口へ、
ガイドの東谷さんより名残ヶ原(お花畑)、昭和湖を経由して
栗駒山山頂まで登る下図
青い破線の
須川コース(3.7km)の説明を受けスタート。
まずは登山口に位置する
須川高原のシンボル‐大日岩ですが、9年前の
岩手・宮城内陸地震で山の三分の一が崩れたこと、そして崩れた大きな岩が周りに散乱している状況の説明と、当時その前にあった
須川高原温泉名物の広大な千人風呂が倒壊し、その跡が今は空き地となっている旨の説明を受けました。
千人風呂の跡地
この階段から登山のスタートです。引湯用のパイプが束になって置かれており、どこから引かれているのか気になるところです。
階段を少し登ると、温泉水の流れる量の凄さに驚かされます。
4~5分登ったところでしょうか温泉が湧き出る源(毎分6,000L)にたどり着きます。気になった引湯パイプはこの場所から
須川高原温泉と
栗駒山荘に送られているのです。
ただ豊富な温泉水が得られる反面、この温泉水は酸が強く硫黄も含まれているため飲料には全く適さず、この土地での
生活用水の確保に大変苦労しているとの話しもありました。
この場所から振り返ってみるとかすかに
鳥海山の山頂が...。
ここから暫くは
ミネザクラ(高山専用の桜 写真上)や、ミネカエデ(写真下)の落葉樹が茂っており、秋の紅葉時期にはこのミネカエデが紅葉の主流となり、自然の力で黄または赤色に変色し、この黄と赤色の紅葉のバランスで綺麗に見えるようです。
15分程で蒸し風呂(おいらん風呂)に、
岩手県側の温泉蒸気治療所として建てられた木造小屋で、ここまでは温泉治療者に配慮された舗装の登山道が続いてます。
ここから先は一般の登山道となり約10分で名残ヶ原に、正面左の山が
栗駒山。
楽しみにしていたお花畑ですが、白く見える
ワタスゲは花を咲かせているものの、地球の温暖化によるものなのか?、ヨシの繁茂による乾燥化が進行中で湿原の草地化(草原化)が進んでおり、低木が繁殖しかけている。かろうじてサワラン(写真下右)の花が見つかる程度で非常に残念な現象です。
右手には今も水蒸気が立ち上がるゆげ山
(且つての火山爆発の所と説明有り)
5分程登ると産沼コースと
須川コースの分かれ道「苔花台」に、山頂まであと2.8km表示の立札。
我々は
須川コースに向かい地獄谷を足早に通過中、
前方にハートマークの付いた岩が~
、6年前の東日本大
地震後発見されたもので、
地震の影響で岩同士がぶつかって出来たものと推測されており、今では地獄谷の名物の一つとなっているようです。
10時30分昭和湖に到着(出発後1時間半)。
なんと湖は想像もしなかった温泉の色、ただ10年前はエメラルドグリーンの湖だったようですが、9年前の
岩手・宮城内陸地震後この色に変化したと説明を受けました。尚、写真右端に見える青い屋根の小屋はこの
須川コースにある唯一のトイレ。
暫しの休息後、昭和湖の脇から
須川コース最大の難所・急勾配の胸突坂(約200m)に進みます。
ここから色んな
高山植物との出会いがあり、ガイドの東谷さんから随所に立ち止まって花の説明(写真下)を受け、
結局天狗平到着まで1時間程費やすことに、山頂まであと800mの地点。
天狗平へは
宮城県からの登山ルートもあり、晴れておればもっと
宮城県側が見渡せるのですが、一寸の晴れ間に大きな残雪が出現!
天狗岩を通り過ぎ、
岩手県側が見渡せます(写真下中央に昭和湖)。
12時15分
栗駒山山頂に到着、所要時間3時間15分。山頂は丁度雲が立ち込め残念ながら視界は殆どゼロの状態。
山頂より、雲の合間のワンショット(
宮城県側からの登山道)です。
山頂で昼食後12時45分下山を始めましたが昭和湖の手前から天気が急変、雨が降り始めた為、硫
黄山~硫黄精錬跡地に寄り道せず、登ってきた道をそのまま戻り15時30分
栗駒山荘に帰着。
山に登った後に入る温泉はいつも格別ですが、今回はパノラマ露天風呂入浴の至極のひと時を過ごしたとでも申しましょうか、6時間も歩いた疲れが一気に吹き飛んでしまいました。
入浴後部屋に戻る途中、
掲示されていた夏の
高山植物の花々の写真を発見、今日のトレッキングで殆どの草花に出会えた満足感と、
同時に
掲示されていた10年前の2007年に撮影された昭和湖のエメラル・ドグリーンの水の色に驚きを覚えます。
尚、二泊目の夕食ですが、一泊目と全く異なるメニューが用意されており、連泊者に対する配慮がなされていたことをお伝えしておきます。