熟年夫婦の温泉旅日記

源泉掛け流しを求めて…。熟年夫婦が全国の温泉を旅して歩いた記憶を辿ります。本ブログ記事には広告が掲載されておりますがご了承下さいな。

鶴の湯温泉 ブログ


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2月、まだ冬の深い秋田の山間に位置する乳頭に、鶴の湯温泉を求めて私たち夫婦は旅に出かけた。 道すがら、白銀の世界が目に飛び込んできた。雪化粧した木々が道路脇に並び、その間を車が走るたびに雪が舞い上がる。寒さをしのぐために車窓から外を見ることは少なかったが、たまに見える山々や凍てついた川の景色は、まるで雪国の絵画のように美しかった。 宿に到着すると、そこには昔ながらの風情が漂っていた。木造の建物が雪に覆われ、その重みを支えるかのように静かに佇んでいる。湯気が立ち上る温泉の香りが漂い、心地よい雰囲気が宿を包み込んでいた。 部屋に入ると、その暖かさにほっと一息ついた。窓からの眺めは雪景色一色で、まるで雪原の中に浮かぶような感覚に陥った。夜になると、宿の周りには静寂が広がり、星が輝いていた。まるで銀河の中にいるかのような、幻想的な雰囲気に包まれながら、私たちは温泉を楽しんだ。 温泉に浸かると、身体の芯から温かさが広がっていく。冷え切った身体がゆっくりと温まり、心までほどけていくような感覚に包まれた。温泉から上がると、外の寒さが一層身にしみるが、その分身体が温かく、心地よい疲れが全て癒されていくのを感じた。 宿の食事もまた、地元の食材を使った素朴ながら美味しい料理ばかりだった。山の恵み、海の幸、それぞれの味わいが存分に楽しめる一品一品に、心から感謝の気持ちが湧き上がった。 朝が訪れ、宿を後にするとき、心には懐かしさと幸せな気持ちが残った。鶴の湯温泉での滞在は、まさに心身ともに癒されるひとときであり、その美しい景色や温かなおもてなしは、私たちの心に永遠に刻まれることだろう。